観光を通じて地域をつくる
観光地域づくり法人(DMO)としての役割
「一般社団法人南房総市観光協会」は、行政(南房総市)はもちろん、温泉組合や飲食店、道の駅連絡協議会、交通事業者、商工会等の観光関連団体やNPO法人千葉自然学校、農協・漁協などの体験交流事業団体等と連携し、宿泊や体験等の予約手配・旅行プランの企画立案やコーディネート・観光情報の発信等の事業を実施しています。
また、2024年3月29日付で観光庁の「観光地域づくり法人(DMO)」に登録されました(登録番号 第30178号)。
これは、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役を期待されていることに他なりません。
近年においては令和元年の台風15号、台風19号、またコロナ感染の拡大による影響などもあり、宿泊者数は減少傾向にあります。
課題は多々ありますが、温暖で風光明媚な土地柄、夏の海、春の花と「穏やかな癒やしの郷」であるここ南房総の様々な観光資源を活用した観光地域づくりを促進し、関係人口の増加につなげられるように邁進してまいります。
観光地域づくり法人が実施する基礎的な役割・機能
- 観光地域づくり法人を中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成
- 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立
- 地域の魅力の向上に資する観光資源の磨き上げや域内交通を含む交通アクセスの整備、多言語表記等の受入環境の整備等の着地整備に関する地域の取組の推進
- 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組みづくり、プロモーション
法人概要
(一社)南房総市観光協会について
- 法人名
- 一般社団法人南房総市観光協会
- 設立
- 2018年4月2日
- 代表理事会長
- 清宮 信英
- 住所
- 〒299-2403
千葉県南房総市富浦町原岡89番地3 - 電話番号
- 0470-28-5307
- FAX番号
- 0470-28-5309
-
2018年8月 第3種旅行業取得 登録番号 第3-996号
2019年7月 JNTO外国人観光案内所 カテゴリー2
南房総市観光協会の取り組みや今後の方向性などについて、地元ミニコミ誌の記事になっていますので、ぜひご覧ください。
入会のご案内
観光協会の事業目的にご賛同いただき(定款をお渡しします)、ご入会いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
年会費は1口10,000円となっております。
所定の入会届出用紙に必要事項をご記入いただき、南房総市観光協会まで郵送又はご持参下さい。(申込受付後、理事会にて承認を得ます)
なお、初年度の年会費につきましては、入会届出用紙を提出後、理事会の承認後に、振込又はご持参下さいますようお願いいたします。
入会の特典
- 観光協会ホームページへの掲載
- 観光協会制作のパンフレットへの掲載
- 観光協会が参加する観光キャンペーン等でのパンフレット配布
- 入会者のPRパンフレット等を観光案内所に設置
- 問合せなどで会員様の情報提供をする
- 観光協会制作のパンフレット、マップ等を優先的に会員様へ配布
- 観光協会が実施するイベントや諸行事にかかる工事や委託業務等の発注については原則会員様のなかから優先的に選定する
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観光地マーケティング導入と観光マネージメントの強化及び観光資源の マネタイズ
~ DMO登録に向けた取り組み(2024年3月29日、地域DMO登録) ~
はじめに
定住人口1人当たりの年間消費額は、全国平均127万円と言われており、人口減少による地域内消費の落ち込みは、地域経済の縮小をもたらす。この状況を食い止めるために、定住人口で減少した部分を地域内に来訪者を受け入れ、地域内で消費してもらうことが必要。また、新規の誘客だけではなく、何度もリピートする関係人口の拡大を図り、観光事業者だけではなく、商工、一次産業へと波及し、補うことができると考える。つまり、今後の南房総の観光業は、農業、漁業との「三位一体の取り組み」が、これまで以上に重要になっている。そこで、南房総の多様な資源を活用し、国内外からの観光客の流れを戦略的に創出し、地域の稼ぐ力「マネタイズ」を引き出しながら地域活性化を図る事を目的に、2018年4月、観光協会組織を法人化し、DMO登録に向けた取り組みを開始した。
※2019年インバウンド消費額4.8兆円。日本の輸出品目の第1位自動車11.7兆円、第2位半導体等電子部品4兆円となっており、インバウンド消費額は輸出品目の第2位に該当する事から、国は「観光立国」を推進している。
※外国人旅行客8人分127万円(外国人が日本の旅行に使う消費額 約156,000円
※国内旅行者(宿泊)23人分127万円(国内旅行一人分の消費額 約55,000円
※国内旅行者(日帰り)73人分127万円(日帰り旅行一人分の消費額 約17,300円
<南房総市の場合>
2006年に6町1村が合併し、16年が経過。
2006年の人口は45,812人
2024年4月時点で34,519人と、18年の間に約11,000人が減少している。
人口一人当たりの年間地域内消費額を127万円とすると、
2006年の年間地域消費額は約580億円、2024年は約440億円と推測され、18年前と比較すると年間で約140億円の地域内消費額が減少している。
観光の動向
観光の動向としては、旅行者ニーズの多様化、地域観光のコンセプトの変化、新たな推進体制の必要性が挙げられる。
旅行者ニーズの多様化については、団体旅行から個人旅行への転換により、通り一遍の物見遊山の旅行から、その地域ならではの体験や感動を求めるようになり、従来の観光客向けのサービスから地域ならではの本物の魅力が必要になっている。
地域観光のコンセプトの変化については、観光客を持続的に地域に惹きつけるために、着地型旅行商品の開発が地域の魅力を再発見するきっかけになるとして注目され、地域全体の価値の向上を図る必要があり、観光客観点からの魅力的な地域づくりを戦略的に推進していく必要がある。DMOは、首都圏の方々と南房総の事業者を繋げる「架け橋」としての役割を担う必要がある。
観光地域づくり
観光地域づくりとは、「住んでよし、訪れてよしのまちづくり」であり、住んでよしとは地域資源の保全・再生・価値向上が、地域の自信と誇りの醸成に繋がり、地域コミュニティの活性化に繋がるものである。
訪れてよしとは「観光振興」であり、関係人口の拡大が図られることにより、地域内の消費額が増大して、所得・雇用・税収の確保に結び付くことが期待できる。まちづくりと観光振興の両輪が一体となって取り組むことで観光地域づくりが実現される。
日本版DMO
日本版DMOとは、地域の稼ぐ力「マネタイズ(収益力)」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、着実に実施するための調整機能を備えた法人と定義されている。
日本版DMOの登録要件及び基礎的な役割・機能としては、内外の人材やノウハウを取り込みつつ、観光地域づくりをすすめることについての多様な関係者の合意形成、明確なコンセプトに基づいた戦略の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立、観光関連事業と戦略との整合性に関する調整・仕組みづくりによる地域一体の魅力的な観光地域づくり、戦略に基づく一元的な情報発信・プロモーションが挙げられる。
日本版DMOの組織としては、法人格を取得していること、対外的に最終的な責任を負う者が明確化され、意思決定の仕組みが構築されていること、専門人材がDMO専従で1名以上存在することの全てに該当する必要がある。併せて、自律的・継続的に活動するために、行政からの補助金や委託事業を含めた安定的な収益事業による運営資金が確保される見通しがあることも重要な要素である。
現状の収益事業からの資金は一部にとどまっており、行政事務のアウトソーシングや指定管理業務、ふるさと納税事務、宿泊税の導入も今後検討する必要がある。
地域における観光の現状
従来の観光関連事業者を中心とした観光振興が行われており、地域に息づく暮らし、自然、歴史、文化など地域の幅広い資源を最大限に活用できず、磨き上げが不足していることから、旅行者ニーズの多様化に対応できていない。地域を訪れる観光客に関する各種デタの収集・分析が不十分であるために、どんな人が・どこから・何を求めて・どうやって訪れているのかが把握できておらず、ターゲットとなる顧客層や地域のコンセプト・ブランドイメージが十分に練られていない状況であったことから、2021年度の観光復興事業においてインターネットアンケートに基づく「GAP調査」や携帯電話のWi-Fiを活用した動向調査を実施し、南房総の顧客層は、週末や夏休み等を中心に稼働するファミリ層や平日稼働が高いシルバー層であることから、現在、「体験王国 南房総」のプロモーションを開始している。今後は、「顧客満足度調査」や「リピート率」の測定及び精度の向上を図っていく。また、宿泊施設や飲食店においては、「食材の地産地消と旬の食材の提供」を進めてくことも必要となる。「地産地消率」を向上させ、一次産業まで含めた地域内消費額の拡大を推進する。観光産業は、外貨を獲得する「輸出産業」であることから、「地域内生産力の向上」を図り、外貨を獲得する事で、「地域内収益の向上」に繋げる。
DMO法人としての取り組み
マーケティング力とマネージメント力、マネタイズ力に乏しい現状・課題から、関係人口の拡大により地域経済の活性化を図るための施策として、観光地マーケティングの導入と観光マネージメントの強化により地域の資源を最大限に活用して、地域の稼ぐ力「観光資源のマネタイズ」を引き出す体制を構築する。
DMOの目的は、観光地マーケティングの導入と観光マネージメントの強化により、観光地域づくりを推進して、関係人口の拡大による地域経済の活性化を図ることとしている。地域に息づく暮らし、自然、歴史、文化など地域の幅広い資源を最大限に活用することで、地域住民の地域に対する誇りと愛着を醸成するとともに、観光客の移住・定住の促進にもつなげていくものとする。
DMOの役割は、戦略の策定やPDCAサイクルに基づく定期的なモニタリング、地域の資源を観光素材として磨き上げて着地型旅行商品の開発、ターゲットとするべき顧客層を戦略的に追及して効果的・効率的に情報発信するプロモーションと関連事業者組織が連携し、マーケティング調査に基づいた地域資源の磨き上げによる商品開発を効果的・戦略的に展開していく。
将来的な事業の主体は、南房総市観光プロモーション協議会を想定し、市役所、教育委員会、(株)ちば南房総、商工会や漁協、農協も連携して取り組むが、当面は南房総市観光協会の内部組織として、南房総市観光インフォメーションセンターを拠点に活動を展開していく。
事業の予算は、南房総市からの委託事業を想定しており、今後、宿泊税導入も検討していく。併せて、館山市との定住自立圏共生ビジョンにおける広域観光も取り組むものとする。
推進体制
観光地域づくりに取り組む推進体制として、観光地域づくりにかかる企画・運営を担う専門組織「南房総市観光プロモーション協議会」と体験プログラムを開発・販売する「(一社)南房総市観光協会」で運営する。
専門組織では、マネージメント・マーケティング・プロモーションの役割を担う専門人材を配置し、継続的なマーケティングとそれを活用した広域エリアでの戦略を立案する役割を担う。策定した戦略に基づいて合意形成を図りながらプロジェクトの進捗状況を確認・マネージメントするほか、顧客層・マーケット別にピンポイントでプロモーション活動を行う。人材については、専門的な能力が求められるため、地域おこし協力隊を専従で登用する他、KNT-CTホールディングスとの連携協定により、人材の受入れを行いDМОの推進体制を整える。併せて、南房総市観光プロモーション課内に、DMOの専従職員を配置し、「官民が一体となった取り組み」を推進する。
役割分担
南房総市、DMO、観光協会、道の駅、商工会、農協、漁協が円滑な連携が取れるようボード会を定期的に開催し、進捗管理を行う。
これまでの振り返り
(活動の概要)
任意団体南房総市観光協会を経て、
2018年4月2日、一般社団法人に法人化、改組。当協会は、南房総市観光インフォメーションセンターと千倉観光案内所の2か所を運営。2018年5月、電通国際情報サービスと連携協定を締結
2018年8月29日、第3種旅行業に登録し、活動。(宿泊等の手配を開始)
2018年6月30日、南房総市観光インフォメーションセンターは、JNTO外国人観光案内所カテゴリー1に登録
2018年10月、当協会加盟事業者に、紙製ストロー使用の啓蒙活動を開始
2019年6月3日、LINEによる「お友だち登録」を開始。
2019年7月3日、城西国際大学と連携協定を締結
2019年7月31日、南房総市観光インフォメーションセンターは、JNTO外国人観光案内所カテゴリー2に登録。
※<2019年9月9日、令和元年房総半島台風(台風15号)により被災>
※<2020年2月3日、横浜港にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」寄港>2020年3月9日、インターネットで、着地型旅行商品の販売を開始。
2020年5月29日、SportInLifeに登録。
2020年7月23日、ビーチクリーン(SDGs活動)を開始。
2020年10月25日、DMO先進事例調査(気仙沼視察)
2021年3月30日、南房総8旅サイトを開設。
2021年8月2日、観光地域づくり候補法人「候補DMO」登録を申請。
2021年8月4日より、電動トゥクトゥクのレンタルサービス「次世代二次交通BOSOE-TUKTUK」を開始。
2021年10月25日、浦安観光コンベンション協会と連携協定を締結
2021年11月4日、観光地域づくり候補法人「候補DMO」に認定
2022年4月28日、定住自立圏共生ビジョンにおける館山市観光協会連携協定締結
2022年6月17日、南房総市と近畿日本ツーリスト(株)、クラブツーリズム(株)が、観光振興及び地域活性化に関する包括連携協定締結
2022年9月、地域DMO候補法人から、今後の本登録に向けた動き出しの一つとして、飲食店や宿泊施設などの地域内事業者及び関係団体である内房商工会、朝夷商工会と連携し、新たなご当地グルメ開発を開始。何度も食べに訪れたくなる名物商品を作ることで、南房総及び市の知名度を向上させ、地域に訪れる観光客を始めとする関係人口を増加させ、地域経済の活性化を図る。(観光消費額の増加)
2022年12月20日、DMO先進事例調査(気仙沼視察)
2023年3月、ご当地グルメ南房総うまアジ「旨アジ∞(エイト)」を販売開始(9店舗12メニュー)
2023年6月22日、観光庁「観光再始動事業」採択
2023年9月19日、JNTO「2023 年度観光コンテンツ収集・情報発信事業」採択
2023年9月27日、「関東広域エリアDMOフォーラム2023in八ヶ岳」パネリストとして、参加
2023年12月26日、宿泊税の先進事例調査(金沢視察)
2024年1月12日、観光地域づくり法人「地域DMO」登録を申請
2024年3月5日、文化庁「令和5年度食文化機運醸成事業」採択され、「南房総地域のアジ文化 ~なめろう、サンガ焼き、たたき、お刺身~」が「伝統の100年フード部門〜江戸時代から続く郷土の料理〜」として「100年フード」に認定
2024年3月29日、観光地域づくり法人「地域DMO」に登録
2024年4月、ご当地グルメ南房総うまアジ「旨アジ(エイト)」、「旨アジ単品(アラカルト)」、「旨アジ(テイクアウト)」、「旨アジ体験」を販売開始(17店舗30メニュー)
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